弁護士伊藤祐貴@台東区・上野御徒町のブログ

第二東京弁護士会所属。労働問題(解雇無効、残業代請求、退職代行等)、離婚・不貞慰謝料請求、相続、遺産分割、景品表示法、民事、刑事、少年事件など。

地方自治法に基づく境界確定請求事件(東京地判令和元年9月20日裁判所HP)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88971

 

・原告:大田区

・被告:江東区

 

・事案の概要:

「本件は,いずれも東京都(以下「都」という。)の特別区である原告と被告との間で,東京湾内に所在する中央防波堤埋立地付近における区境界(以下「本件境界」という。)に争いがあり,地方自治法9条1項の規定による調停によっても本件境界が確定しなかったため,原告が,同条9項に基づき,本件10 境界の確定を求める訴えを提起した事案である。なお,同法のこれらの規定は,都の特別区にも適用される(同法283条1項)。」

 

・判示:

「当裁判所も,市区町村の境界を確定するに当たっては,当該境界につきこれを変更又は確定する法定の措置が既にとられていない限り,まず,江戸時代における関係町村の当該係争地域に対する支配・管理・利用等の状況を調べ,そのおおよその区分線を知り得る場合には,これを基準として境界を確定すべきであり(前段の手法),上記区分線を知り得ない場合には,①当該係争地域の歴史的沿革に加え,②明治以降における関係市区町村の行政権行使の実状,③国又は都道府県の行政機関の管轄,④住民の社会・経済生活上の便益,⑤地勢上の特性等の自然的条件,⑥地積などを考慮の上,最も衡平妥当な線を見いだしてこれを境界と定めるのが相当である(後段の手法)と解する(最高裁昭和61年5月29日第一小法廷判決・民集40巻4号603頁参照)。

 中央防波堤埋立地付近における関係区等の境界について,これを変更又は確定する法定の措置はとられていないから,江戸時代におけるおおよその区分線を知り得る場合には前段の手法に,知り得ない場合には後段の手法によるのが相当である。」