弁護士伊藤祐貴@台東区・上野御徒町のブログ

第二東京弁護士会所属。労働問題(解雇無効、残業代請求、退職代行等)、離婚・不貞慰謝料請求、相続、遺産分割、景品表示法、民事、刑事、少年事件など。

詐欺被害者の可能性が高い者が業務上横領した事件(名古屋地判令和元年6月3日裁判所HP)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88938

 

事案の概要:

医療法人の経理担当者が医療法人の口座のお金を合計1000万円横領した事案。

 

量刑理由:

「被告人は,平成30年10月頃,SNSを通じて面識のない外国の軍人を名乗る者(以下「本件外国人」という。)と知り合い,メッセージアプリ等で連絡を取り合う中で本件外国人に好意を抱き,本件外国人から来日費用の立替え,税関での所持金の没収を免れるための罰金等の支払等の名目で送金を依頼されるや,自己資金から本件外国人側への送金を繰り返し,自己資金が底をついた後も,本件外国人の資産から後日返済してもらえると信じて,本件外国人側に送金をするために本件各犯行に及んだが,結局,本件外国人に一度も会えず,送金の返還も全く受けていない。このように,被告人は詐欺の被害者である可能性が高く,送金した自己資金の返還を受けていないことは同情に値するが,好意を抱いた本件外国人に会いたいなどといった思惑から,勤務先の資金を横領して本件犯行に及んだことは正当化できない。被害者側が被告人の厳正な処罰を求めるのは当然である。」

 

→被告人は本件外国人による詐欺にあっていた可能性が高いから,「同情に値する」とのことです。