弁護士伊藤祐貴@台東区・上野御徒町のブログ

第二東京弁護士会所属。労働問題(解雇無効、残業代請求、退職代行等)、離婚・不貞慰謝料請求、相続、遺産分割、景品表示法、民事、刑事、少年事件など。

鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求事件(

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88979

 

・判示事項:

「1 市の経営する競艇事業の予算に違法な内容が含まれていた場合において,市長が市に対し当該予算を調製したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例
2 市の経営する競艇事業の管理者が違法な補助金の交付を決定した場合において,当該管理者を補助すべき立場にある職員が市に対し上記の決定に関与したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例」

 

・事案の概要:

「本件は,鳴門競艇従事員共済会(以下「共済会」という。)から鳴門競艇臨時従事員(以下「臨時従事員」という。)に支給される離職せん別金に充てるため,鳴門市(以下「市」という。)が平成22年7月に共済会に対して補助金(以下「本件補助金」という。)を交付したことが,給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法,無効な財務会計上の行為であるなどとして,市の住民である被上告人らが,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,上告人市長を相手に,当時の市長の職に在った者に対して損害賠償請求をすることを求めるとともに,上告人鳴門市公営企業管理者企業局長(以下「上告人管理者」という。)を相手に,当時の市の企業局長及び企業局次長の各職に在った者らに対して損害賠償請求をすること等を,それぞれ求める住民訴訟である。」

 

・池上政幸裁判官補足意見:

「市企業局が長年にわたり組織として運用してきた離職せん別金補助金制度の誤りについて,本件交付決定当時に企業局長の地位にあったC個人に対して損害賠償責任を追及することには酷な面があるといわざるを得ず,市議会によるこれまでの対応等に照らしても,今後,C個人の上記責任を追及するに当たっては,相応の配慮が望まれるところである。」

 

*個人責任の追及はなかなか難しいか。