弁護士伊藤祐貴@台東区・上野御徒町のブログ

第二東京弁護士会所属。労働問題(解雇無効、残業代請求、退職代行等)、離婚・不貞慰謝料請求、相続、遺産分割、景品表示法、民事、刑事、少年事件など。

殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(最判令和元年12月2日裁判所HP)

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89071

 

「被告人に対する量刑について付言する。」

「無差別殺人は,行為者が何ら関係のない不特定の者を殺害することを目的とする犯行であり,多くの場合,被害者が無防備で,その生命侵害の危険性が高く,生命軽視の度合いが大きい類型の犯罪として,厳しい非難が向けられる。しかし,無差別殺人であっても,事案により,被害結果,特に死傷者の数が異なるほか,動機・経緯,計画性の有無・程度,犯行態様,犯行遂行の意思の強固さは様々であり,これらを総合して認められる生命侵害の危険性の程度や生命軽視の度合いも異なることから,非難の程度も事案ごとに異なるというべきである(なお,原判決が計画性の有無・程度をもって本件犯行に対する非難の程度を判断する指標であるかのように説示する部分は,以上に照らして是認することができない。)。」

「本件は被害者2名の殺人事件であり,被告人が無差別殺人を敢行したことは短絡的で身勝手であるというほかなく,犯行態様は執よう,残虐であって,被告人の刑事責任は誠に重大であるものの,死刑が究極の刑罰であり,その適用は慎重に行わなければならないという観点及び公平性の確保の観点を踏まえ,犯情を総合的に評価すると,本件について,被告人を死刑に処した第1審判決を量刑不当として破棄し無期懲役に処した原判決の刑の量定が甚だしく不当であり原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めることはできない。」

*「付言」ですが上記のような判断をしています。